相続税を個人がe-Taxで申告できる?申告書を作れるか、やり方を解説

個人が相続税申告をe-Taxで行えるのか、やり方などを解説

2019年10月1日からe-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用して相続税申告書や添付資料の提出、電子納税を行うことができるようになりました。

近年ではe-Taxを使った所得税の確定申告が普及しているため、相続税申告もe-taxで簡単にできるのではないかと考える方も多くいらっしゃいます。

今回は個人が相続税申告をe-Taxで行えるのか、やり方などを解説します。e-Taxを使って相続税申告書の作成や電子申告を検討している方は参考にしていただけますと幸いです。

目次

自分で相続税申告をするなら『better相続申告』

個人がe-Taxで相続税申告書を作成するのは難しい

個人がe-Taxで相続税申告書を作成するのは難しいため、相続税に詳しく、相続人も1人であるという場合以外は、あまりおすすめはできません。

なぜ難しくおすすめできないのか、以下の5つの理由が挙げられます。

  • 相続税の自動計算機能がない
  • 相続税申告や申告書に関する知識がないといけない
  • 相続人が共同で申告書を作成することができない
  • 利用できるOSが限られる
  • セットアップが大変

相続税申告や申告書に関する知識がないといけない

相続税申告や申告書に関する知識がないといけない

e-Taxでは、相続税の対象となる財産の説明や評価額の算出方法、相続税申告書の記載方法に関する解説がありません。そのため、相続税申告に必要な情報を調べた上で相続税申告書を作成する必要があります。

また、間違った入力をしても指摘されないため、間違いに気づくことができず、提出後に修正の連絡が税務署から入る可能性があります。

最悪の場合、申告漏れによる追徴課税となる可能性もあるため、もしe-Taxを使いたい場合は相続税申告について正しい情報を細かく手に入れ、評価などで間違いがない状態にしましょう。

相続税の自動計算機能がない

相続税の自動計算機能がない

e-Taxには相続税の自動計算機能がありません。そのため、相続税がいくらになるのか自分で正しく計算する必要があります。

また、申告書の自動作成機能もないため、自分で相続税申告書の記載方法を調べ、適切な箇所に入力していく必要があります。

相続税申告書の作成システムを使えば、財産の情報を入力すると相続税申告書が自動で作成できますが、e-Taxにはその機能がないため、申告書の作成方法はパソコンで情報を記載できること以外、手書きとあまり変わりません。

相続人が共同で申告書を作成することができない

相続人が共同で申告書を作成することができない

相続税は一般的に相続人全員が1つの申告書で同時に申告します。そうすることで申告書作成する手間を省くことができます。

しかし、e-Taxは1人1人が申告するように設計されているため、共同で申告書を作成することができません。仮に相続人が4人の場合、e-Taxを使って申告書を4回作成しなければいけないため、手間と時間が非常にかかります。

相続人が1人の場合はe-Taxで申告しても問題ありませんが、複数人の場合は別の方法で申告することをおすすめします。

セットアップが大変

e-taxで相続税申告を行う場合、パソコンにソフトをダウンロードし、利用者識別番号を取得して入力を開始します。

パソコンが古い、容量が少ないなどの場合、ソフトをダウンロードすることに時間がかかり、作業が進まない可能性があります。

利用できるOSが限られる

相続税におけるe-TaxはMac OSでの利用ができません。使っているパソコンがアップル製でWindowsをインストールしていない場合、e-Taxは利用できません。

相続税の場合、e-Taxをスマホで使い、申告するのは難しい

相続税の場合、e-Taxをスマホで使い、申告するのは難しい

e-Taxを使って相続税申告を行う場合、ソフトをダウンロードする必要があります。対応しているOSがWindows10と11であるため、スマホでの利用は難しいです。

e-Taxソフト(WEB版)はスマホでも利用できますが、所得税、決算書・収支内訳書、消費税、贈与税のみとなっており、相続税申告書の作成はできません。

所得税の確定申告はスマホでできるものの、相続税は難しいため、パソコンを持っていない場合はe-Tax以外の方法で申告することをおすすめします。

税理士を含めてもe-Taxで相続税申告を行う割合は低い

令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度
e-Tax利用率 14.4%
(2.3万件)
23.4%
(4.4万件)
29.5%
(6.1万件)
37.1%
(8.5万件)

相続税におけるe-taxの利用率は令和5年で37.1%となっています(参照:令和5年分相続税の申告事績の概要(国税庁:令和6年12月))。これは税理士を含めた数字となっています。

税理士は相続税申告のソフトを利用した上でe-Taxを利用しています。それで37.1%の利用率であるため、個人がソフトなどを使わずにe-Taxで相続税申告を行うのは難しいです。

国税庁のホームページには相続税申告書作成コーナーがない

e-Taxが使えなければ、確定申告書等作成コーナーを使えばよいと思われる方もいらっしゃいますが、相続税申告書等作成コーナーは国税庁のホームページにはありません。

なお、相続税の申告要否判定コーナーは国税庁のホームページあります。相続税申告の要否と納税額を確認することができますが、相続税申告書の作成はできません。

簡単にパソコンで相続税申告書を作成するにはe-Taxや国税庁のホームページでは難しいため、民間ソフトの利用をおすすめします。

相続税申告をe-Taxで行うメリット

相続税申告を行うのが難しいe-Taxですが、メリットもあります。

時間を気にせずに申告できる

メンテナンス時間を除き、e-Taxは24時間利用できるため、時間を問わずに申告することができます。申告期限が近く、郵送だと間に合わないが税務署へ直接行く時間もない方には便利です。

パソコンがあれば申告できるため、自宅で相続税申告を完結できます。税務署へ行って提出する、郵便局へ行って郵送するという手間も省けます。

本人確認の書類がいらない、原本が不要

e-Taxでは利用者識別番号で本人確認を行うため、住民票などの本人確認書類を提出する必要がなくなります。

また、遺産分割協議書を作成した場合、相続人全員の印鑑登録証明書を原本で提出する必要があります。しかし、e-Taxではスキャンしたデータを送信するため、原本の提出が不要となります。新たに書類を収集する費用や手間を省くことができます。

提出資料のデータを保存できる

e-Taxを使って作成した相続税申告書などはデータとして保存することができます。

紙だと場所を取る、紛失する可能性があるなどのデメリットがありますが、データなら場所を取らず、バックアップを用意しておけば、パソコンが壊れてもデータを確認できます。

他の相続人へデータの共有もできるため、やり取りもスムーズに行えます。

ダイレクト納付ができる

ダイレクト納付を利用することで、パソコンから相続税を納めることができます。税務署や金融機関へ出向く時間や手間を省けます。

クレジットカードでも相続税を納めることもできますが手数料がかかります。ダイレクト納付を利用することで手数料を抑えることができます。

相続税申告をe-Taxで行うやり方

相続税申告をe-Taxで行う方法について解説します。

1.電子証明書を取得する

電子証明書を取得する

申告データが利用者本人のものであるか、送信データが改ざんされていないかを確認するために『電子証明書』の取得が必要です。

信頼できる第三者(認証局)が間違いなく本人であることを電子的に証明するもので、インターネット上でのデータのやりとりにおいて「パスポート」のような役割を果たします。

e-Taxソフトのダウンロードコーナーから『ルート証明書・中間証明書』をインストールすることで取得できます。

2.e-Taxをパソコンにインストールする

電子証明書をダウンロードした後、e-Taxのインストーラをダウンロードし、実行します。完了するとパソコンにe-Taxがインストールされます。

3.利用者識別番号を取得する

インストールした「e-Taxソフト」を利用開始すると、最初に「利用者識別番号」が必要となるため、予め準備しておきます。

利用者識別番号は、e-Taxを利用するために必要な16桁の番号です。Web上で「開設届出書」に必要事項を入力し送信すると、オンラインでの取得も可能です。

所得税の確定申告などですでに番号をお持ちの場合は、新たに取得する必要はありません。

4.相続税申告書を選択する

e-Taxソフトの左側にあるメニューから「作成」→「申告・申請等」→「新規作成」→「申告」→「相続税」→「申告する年度」を選択します。

次にe-Taxで使用する帳票を選択します。どの申告書を使用するのかわからない場合、すべての帳票を選択しておきます。なお、使用できない帳票もあるため、注意が必要です。

5.相続税申告書を作成する

相続税申告書を作成する

被相続人と相続人の情報を入力します。その後、帳票に必要な情報を入力し、相続税申告書を完成させます。

なお、相続税申告書は第1表から作成するのではなく、第9表から第15表→第1表→第2表→第4表から第8表という順番で作成します。

第9表から第15表で財産や債務に関する情報を入力、第1表で相続税の納付額を計算、第2表で相続税の総額を計算、第4表から第8表で税額控除について入力するという流れになっています。

6.添付書類を組み込む

スマホのカメラやスキャナーを用いて添付書類をPDF形式にし、パソコン内へ取り込みます。

取り込み後、e-Taxソフトの「添付書類一覧」画面で組み込みをクリックし、組み込みたい添付資料を選択し、「開く」をクリックすると添付書類が組み込まれます。

7.電子署名を行って相続税申告書を送信する

相続税申告書を作成し、添付書類を組み込んだら電子署名を行います。

「署名可能一覧」画面で、電子署名を付与する申告・申請等を選択し、署名をクリックします。

電子証明書を読み込む方法が表示されますので、マイナンバーカードを読み込みたい場合はICカード、マイナンバーカードの暗証番号を利用する場合は他メディアを選択します。

電子署名が完了したら、「送信可能一覧」画面で、送信する申告・申請等を選択し、送信します。

8.必要であれば「参照作成機能」を利用する

個人の場合、e-Taxでは共同で相続税申告書を作成できないため、他の相続人の相続税申告書も同じように作成し、送信します。

一から作成すると時間がかかりますが、参照作成機能を使うと一部の情報を変更すると申告書を完成させることができます。

相続税申告書を完成させた相続人の相続税申告書作成画面で「作成」→「申告・申請等」→対象の申告データを選択し、「切り出し」をクリックします。

その後、他の相続人のe-Taxソフトで「作成」→「申告・申請等」→「相続税申告書の参照作成」をクリックすると切り出したデータを取り込めます。あとは必要な箇所の情報を修正します。

相続税申告書をe-Taxよりも簡単に作成する方法

相続税申告書をe-Taxよりも簡単に作成する方法

相続税申告書をe-Taxよりも簡単に作成するには民間ソフトの利用をおすすめします。民間ソフトには相続税の自動計算や申告書の自動作成機能が搭載されているため、個人でも簡単に相続税申告書を作成できます。

なお、民間のソフトにも個人向けと士業向けがあり、士業向けだと解説が少なく、個人が相続税申告を行うのは難しくなっています。

相続税申告を自分で行う場合、個人向けに開発された民間ソフトを使い、簡単に相続税申告を完結させましょう。

自分で相続税申告を行うなら『better相続申告』がおすすめ

個人向けの相続税申告ソフトでおすすめなのが『better相続申告』です。

申告書の作成だけでなく、財産の洗い出しから必要書類のリストアップ、土地評価のアシスト、財産評価に必要な情報の解説など、相続税申告に必要な情報や機能が多く搭載されています。

「他のソフトを使ったけれど解説が少なくて進まなかったが、better相続申告なら簡単に完結できた」などのお声もいただいております。

無料でお試しいただけますので、『better相続申告』をお気軽にご利用ください。
自分で相続税申告をするなら『better相続申告』

関連記事