相続税申告を自分で行う割合や、自分で申告できるケース、難易度を解説
相続税申告は税理士に依頼せず、自分で行うことのできる手続きです。実際に自分で相続税申告を行った割合はどれくらいなのかを知ることで、相続税申告を自分で行うことの難易度を理解することができます。
今回は相続税申告を自分で行う人の割合や自分で申告ができるケース、難易度について解説します。自分で相続税申告を行おうとしている方の参考になれば幸いです。
目次
相続税申告を自分で行う人の割合
相続税申告を自分で行った人の割合は、令和4年度で14.1%となっています。反対に税理士が関与した割合は85.9%です。そのため、令和4年度では10人に1~2人が自分で相続税申告を行っています。
平成30年度から令和4年度までの税理士関与割合と自分で申告した方の割合を以下にまとめました。過去5年間の平均でみると約14%の方が自分で相続税申告を行っています。
平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 平均 | |
税理士 | 85.0% | 85.7% | 86.1% | 86.1% | 85.9% | 85.8% |
自分で | 15.0% | 14.3% | 13.9% | 13.9% | 14.1% | 14.2% |
出典:令和4事務年度国税庁実績評価書(令和5年10月財務省)
『令和4年分相続税の申告事績の概要(令和5年12月国税庁)』によると、令和4年度は相続税の申告書の提出に係る被相続⼈数が150,858人いたため、約21,270件が相続税申告を自分で行ったことになります。
割合としては多くないものの、年間2万件以上は自分で相続税申告を完了させています。
相続税申告を自分で行うと税理士費用を抑えることができる
相続税申告は税理士に依頼するのが一般的であるにもかかわらず、約14%の方が自分で相続税申告を行っている理由として、税理士へ依頼する費用を抑えられることが挙げられます。
税理士へ相続税申告を依頼した時の報酬の相場は、財産の0.5~1%とされています。仮に相続する財産が5,000万円の場合、25~50万円の費用がかかります。自分で相続税申告を行うと、税理士に依頼する費用が抑えられるため、数十万円が節約につながります。
自分で相続税申告を行うためのシステム『better相続申告』を利用している方の多くが、税理士に依頼する報酬が高いため、自分で相続税申告を行ったとおっしゃっています。
実際にbetter相続申告を使って自分で相続税申告を行った方は、平均30~60万円の税理士費用を抑えることができています(2020年1月〜2024年6月 better相続申告ご利用者様の相続財産の平均額×一般的に相続税申告の税理士報酬相場と言われる財産総額の0.5~1%から算出)。
相続税申告を自分でやってみた方のブログから難易度を解説
『better相続申告』を使って自分で相続税申告を行った方のご感想から、相続税申告を自分で行う難易度を解説します。
ご利用いただいた鈴木様(仮名)の場合、独学で相続税申告の情報を集め、申告書を作成するのは難しかったとお話しされています。
ただ、『better相続申告』を使い、システムの案内に従って資料収集や財産評価、情報の入力を進めていくと簡単に相続税申告ができたというご感想を頂戴しております。
他にも、ご利用いただいた大谷様(仮名)の場合、資料収集に苦労されたというご感想を頂きました。財産の評価等も難しかったですが、システムを使うことで最終的には自分で申告できたというお話しもされていました。
独学で相続税申告を行うのは難しいですが、システムを使うと自分で相続税申告を行う難易度を下げることができます。
また、資料収集は手間や時間がかかり大変ですが、税理士に依頼する場合でも、基本的には資料はご自身で収集する必要があります。どのような資料が必要か分かれば、自分で相続税申告を行うことも無理ではありません。
相続税申告を自分で行うことができるケース
システムを使うことで相続税申告を自分で行うことはそう難しくありません。
では、どのようなケースの場合、自分で相続税申告ができるのでしょうか。
基礎控除以下なら相続税申告は不要
そもそも、遺産総額が相続税の基礎控除額以下の場合、相続税申告が不要なため、手続きを行う必要はありません。
相続税の基礎控除額は【3,000万円+600万円×相続人の数】となっています。相続財産から借入金等の債務や葬式費用を引いた金額が基礎控除額を超えた場合は相続税申告が必要となります。
なお、基礎控除額を超えるかどうかの判定にあたっては、小規模宅地等の特例を適用する前の財産金額で判断する必要があり、また、配偶者控除等の税額控除を適用して税額が0円だからといって申告義務が無くなる訳ではないため注意が必要です。
評価が難しい財産がない
非上場株式や海外資産等、税理士でないと評価が難しい財産がある場合は、相続税申告を自分で行うことは難しいです。
自分で誤った評価をしてしまうと、税務調査や追徴課税等のリスクが高いため、税理士に依頼することをおすすめします。
また、土地等の評価額が高く減額要素が多い財産がある場合、精緻に計算することによって相続税を下げることができる可能性が高いです。精緻な計算には専門知識や経験が必要となるため、税理士に依頼した方が良いです。
そのため、評価が難しい財産が無い場合には、自分で相続税申告を行うことができる可能性が高くなります。
遺産分割で揉めることがない
遺産分割で揉めた場合、相続税申告の手続きが進まず、申告期限に間に合わない等、不測の事態になることがあります。そのため、揉めた場合は、税理士や弁護士等の協力を得て遺産分割の方針を決定し、手続きを進めることになります。
また、相続税申告にあたって、通常は複数の相続人が1部の相続税申告書を共同で税務署に提出することが一般的です。
しかし、揉めていると各相続人が別々に相続税申告書を税務署に提出することがあります。もし各自が提出した相続税申告書の内容が異なると税務調査のリスクが高くなる可能性があるため、専門家へ依頼した方が良いです。
相続税申告に時間をかけることができる
相続税申告を自分で行う場合、財産の評価や申告書の作成、税務署への提出まで自分で行う必要があります。手続きにかける時間を確保できない場合は税理士等の専門家に依頼した方が良い可能性があります。
また、独学で相続税申告を行う場合、数か月の期間が必要となることがあります。ソフトを使うとその時間を大幅に削減することができるため、自分で相続税申告を行う際はソフトのご利用をおすすめします。
『better相続申告』をご利用いただいた方の多くが1~2か月で相続税申告書を作成しています。相続内容がシンプルで書類がある程度集まっている方だと1週間程度で申告書を作成する方もいれば、会社員で働きながら自分で相続税申告している方も多くいらっしゃいます。
そのため、休日に作業できる、平日に書類収集できる日を数日確保できる場合は自分で申告できる可能性が高いです。
特例や控除を使って相続税が0円になる場合
小規模宅地等の特例や配偶者控除等の税額控除を適用すると、相続税が0円になる可能性があります。この場合、専門知識を使って土地の評価を下げたとしても、そもそも相続税がかからないため、減額を行うメリットがありません。
そのため、土地の評価額の減額方法を調べて、様々な検討事項を考慮して、細かく土地の評価額を計算する必要が無くなり、単に路線価×土地の面積で評価を行えば良いという考え方もあります。
そうすることで、自分で相続税申告を行うための準備がシンプルとなり、手間や時間をかけずに自分で申告できる可能性が高くなります。
相続税申告を税理士に依頼した方が良いケース
相続税申告を自分で行うのが難しく、税理士へ依頼した方が良い場合もあります。
どのような際に依頼した方が良いのか解説します。
非上場株式や海外資産等、評価の難しい財産がある
非上場株式や海外資産は評価が難しく、税務調査や追徴課税等のリスクが大きいです。その場合は税理士へ依頼し、リスクを下げて申告することをおすすめします。
なお、FX等の外国通貨や国内の証券会社を通じて購入している株式や債権等は、評価方法が難しくなく、自分で評価を行うことも可能です。
財産総額が数億円がある
財産の内容にもよりますが、財産の金額が多いほど、相続税申告の難易度が高く、税務調査や追徴課税等のリスクが高くなるのが一般的とされています。
また、評価額の計算による相続税の減額のメリットも大きいため、税理士へ依頼することをおすすめします。
財産の評価や相続税の計算を精緻に行いたい
土地等の減額要素が多い財産の評価を精緻に行い、評価額が最安になるように計算したい場合は税理士に依頼することをおすすめします。
専門知識や経験が無いと、評価方法を誤ったり、減額要素を見落としてしまう可能性があります。そのため、税理士に依頼することにより、自分で計算するよりも税金が安くなる可能性があります。
また、今回の相続で配偶者が健在の場合、将来配偶者が亡くなった際の相続のことを二次相続呼びますが、二次相続時の相続税をシミュレーションした上で、今回の相続の遺産分割方針を決定した方がトータルで相続税額が抑えられる可能性があります。
もし精緻なシミュレーションを行いたい場合には税理士へ依頼することをおすすめします。今回の相続と二次相続時の具体的な相続税額を算出してくれるため、トータルの相続税が少しでも安くなるように遺産分割方針を検討することができます。
土地の評価や二次相続税のシミュレーションを精緻に行って安くなる相続税額と、税理士に依頼した時に費用を比較し、どちらのメリットが大きいのかを考えて判断することをおすすめします。
税務調査リスクをできるだけ抑えたい、税務調査対応をしたくない
自分で相続税申告を行う場合、申告が必要な財産に漏れがないかや、財産の評価方法が誤っていないかを自分で判断しなければいけません。
財産の申告漏れや評価方法の誤りがあると、税務調査リスクは高くなってしまいます。どうしても税務調査が心配な方は税理士へ依頼し、リスクをできるだけ抑えることをおすすめします。
また、自分で相続税申告を行うと、万が一税務調査が入った場合でも、自分で対応しなくてはなりません。相続税申告を税理士へ依頼した場合は税務調査の対応も税理士が行ってくれることが一般的です。
なお、税務調査だけを税理士に依頼することもできますので、申告は自分で、万が一税務調査になった場合は税理士へ依頼することも選択肢としてはあります。
ただし、税務調査が決定してから限られた時間の中で税理士を探して依頼する必要があり、また、調査が入ってからでは税理士が対応できることも限られるため、注意が必要です。
忙しく相続税申告の準備に全く時間を使えない
休日も忙しく、相続税申告の準備を行う時間を確保できない場合は税理士へ依頼することをおすすめします。
申告期限が近づくと税理士に依頼するための報酬も高くなる傾向があり、また、もし申告期限を過ぎてしまうと、延滞税等の余分な税金が加算される可能性もあります。
税理士に依頼すると財産の評価や申告書の作成、税務署への提出まで行ってくれるため、相続税申告にかかる時間や手間を大きく削減することができます。
また、オプションで必要書類の収集を代行してくれる税理士もいますので、相続税申告の準備のための時間を確保できない場合は税理士への依頼をおすすめいたします。
自分で相続税申告を行うか、税理士に依頼するか迷われている方は、メリットやデメリットを以下の記事で確認し、どちらにするか検討しましょう。
相続税申告を自分で行う流れ
相続税申告を自分で行うことができるケースに当てはまった場合、どのような手順で手続きを進めればよいのか解説します。
なお、詳細な手続きの方法は『better相続申告』内で解説しています。無料でお試しできますので、お気軽にご登録ください。
相続人を確定する
まずは亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等を収集し、法定相続人に該当する方を調査します。法定相続人が確定しなければ、相続税申告の要否判定に必要な基礎控除額の算出ができません。
また、遺産分割協議を行った後から新たに相続人が判明した場合、遺産分割協議がやり直しになる可能性もありますので、相続人の調査は必ず行いましょう。
財産を洗い出す
相続税の対象となる財産を洗い出し、遺産総額が相続税の基礎控除額を超えるか否かを確認します。遺産総額が基礎控除額以下の場合、相続税申告の義務はありません。
財産の洗い出しは細かく行う必要があり、おろそかにすると後から財産が見つかったり、申告が必要だとは知らなかった財産が出てくる可能性があります。
基礎控除額以下だと思って申告していなかったが後から見つかった財産により基礎控除額を超えて申告が必要になってしまったり、申告後に新たな財産が見つかり修正申告が必要になる可能性があるため、財産の洗い出しは細かく行いましょう。
申告が必要な財産の例は以下の通りです。詳細は『better相続申告』内で解説しています。無料でお試しできますので、お気軽にご登録ください。
預金 | 名義預金 | 株式等 | 保険 |
現金 | 不動産 | 貸付金 | 死亡退職金 |
年金 | 未収金 | 家財 | 生前贈与 |
必要書類を集める
相続税の対象となる財産を洗い出す際や、相続税申告書を税務署に提出する際に必要となる書類を収集します。
税務署に提出が求められている資料や、相続税申告書や財産の評価明細書に記載した内容を証明するために必要となりますので、欠かさず収集する必要があります。
相続税申告にあたって必要な書類は以下の通りです。詳細は『better相続申告』内で解説しています。無料でお試しできますので、お気軽にご登録ください。
財産の種類 | 必要書類(例) | |
現金 | – | |
預貯金 | ・残高証明書 ・預金証書 ・通帳 |
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有価証券 | 上場株式 | ・株式財産証明書 または 証券会社の保護預り残高表 |
公社債 | ・残高証明書 ・証書 |
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証券投資信託 | ・残高証明書 ・証書 |
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非上場株式 | ・発行会社の過去3年間の決算書、法人税の確定申告書 ・株主名簿 |
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生命保険 | ・保険会社の支払通知書 | |
死亡退職金 | ・退職手当金の支払調書 ・勤務会社からの最終給与証明 |
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不動産 | 土地 | ・登記事項証明書 ・公図・地積測量図または実測図 ・固定資産税評価証明書 ・土地賃貸借契約書(貸付地の場合) ・路線価図または評価倍率表 |
借地権 | ・土地賃貸借契約書 | |
家屋 | ・登記事項証明書 ・固定資産税評価証明書 ・建物賃貸借契約書(借家の場合) |
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その他 | ゴルフ会員権 | ・預託金証書または株券 |
家庭用動産 | ・各財産の明細 | |
その他の財産 | ||
債務等 | 債務 | ・金融機関からの借入金残高証明書 ・借用証書 ・固定資産税 ・住民税の納税通知書、領収証書 ・準確定申告 ・医療費領収書 |
葬儀費用 | ・葬儀関係費用領収書 ・葬儀費用出納帳 ・お布施や心づけのメモ書き |
財産の評価を行う
財産の洗い出しや資料の収集が完了したら、相続する財産の評価を行います。財産の評価方法は財産の種類によって異なるため、それぞれの評価方法について調べ、適切な金額で算出する必要があります。
財産の評価方法を間違えると税務調査や追徴課税等のリスクにつながってしまいますので、しっかりと確認しながら適切な計算を行いましょう。
財産の種類 | 評価の見積もり方法(概略) | |
現金 | ・手許保有額 | |
預貯金 | ・普通預貯金:預入残高
・定期預貯金:預入原本+(既経過利息ー源泉徴収税) |
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有価証券 | 上場株式 | ・市場価額をもとに評価 |
公社債 | ・市場価額や発行価額をもとに評価 | |
証券投資信託 | ・基準価額をもとに評価 | |
非上場株式 | ・会社の利益・配当・資産額、 医療法人は利益・資産額により計算し評価 |
|
生命保険 | ・死亡保険金ー(500万円×法定相続人の数) | |
死亡退職金 | ・死亡退職金ー(500万円×法定相続人の数) | |
不動産 | 土地 | 宅地の場合 ・自用地:路線価×地積 ・貸宅地:路線価×地積×(1ー借家権割合) ・貸家建付地:路線価×地積×(1ー借家権割合×借地権割合×賃貸割合) ※ 上記以外にも倍率方式による評価方法があります。 |
借地権 | ・自用地としての価額×借地権割合 | |
家屋 | ・自用:固定資産税評価額 ・貸家用:固定資産税評価額×(1ー借家権割合×賃貸割合) |
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その他 | 家庭用動産 | ・時価 |
ゴルフ会員権 | ・取引相場×70% | |
その他の財産 | ・書画、骨董、貴金属は時価 | |
債務等 | 債務 | ・債務残高、未払金 |
葬儀費用 | ・支払金額 |
遺産分割を行う
財産の洗い出しが完了したら、遺産の分割を行います。遺言書がある場合はその内容に従いますが、ない場合は相続人で話し合い、分割方針を決定します。
特に、配偶者が健在の場合、誰がどのように財産を相続するのかによって、将来の二次相続時の相続税額が変わるため、相続人の意向はもちろん、税額も考慮して分割することをおすすめします。
遺産分割協議が完了したら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名押印します。
相続税申告書を作成する
遺産分割協議書の作成も完了したら、相続税申告書を作成します。記載例に従って必要な帳票に情報を記入します。
相続税申告書作成ソフトの中には、申告書のどこに何を記載するか知らなくても財産内容を入力するだけで自動的に相続税申告書が自動で作成できるソフトがあります。
手書きが面倒な場合や、申告書の書き方を調べるのが面倒な場合には、ソフトの利用をおすすめします。
『better相続申告』でも申告書の自動作成ができますので、申告書を作成したい方はぜひご利用ください。
税務署へ提出し、納税する
相続税申告書の作成が完了したら、必要書類と一緒にまとめて管轄の税務署へ提出します。提出後、相続税申告書に記載してある相続税額を納めて手続きは完了となります。
相続税申告書の提出と納税を、相続が発生してから10か月以内に行う必要があります。
相続税申告を自分で行う際、土地の評価に注意する
相続税申告を自分で行う際に難しいとされるのが土地の評価方法です。土地の評価額は減額できる可能性が高く、小規模宅地等の特例を適用すると相続税を大きく下げられるため、適切な評価が必要となります。
ただし、小規模宅地等の特例を適用できることが明確である場合や、配偶者控除等の税額控除を適用することによって相続税が0円になる場合等には、土地の評価額の減額要素の確認を精緻に行う必要がない場合があり、単に路線価に土地の面積を乗じて評価額を計算するだけであれば、自分で簡単に土地の評価が行えます。
また、一般的な宅地で、土地の形が整っていて減額の余地が少ないような場合も、比較的自分で簡単に土地の評価を行うことができます。
土地の評価額が高く、減額できる可能性も高い場合は、土地の評価を精緻に行うことで相続税を下げることができます。そのようなケースに当てはまる場合は税理士に依頼した方が良い可能性があります。
税理士に依頼する費用と減額になる相続税額のどちらが高いのかを考慮して、依頼するか自分で行うか判断することをおすすめします。
国税庁のホームページに相続税申告書作成コーナーはないため、民間ソフトかe-taxを使う
国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーでは、システムの案内に従って情報を入力すると確定申告書が作成できます。
しかし、国税庁のホームページには相続税申告書作成コーナーはありません。そのため、民間のソフトかe-taxを利用することになります。
自分で相続税申告を行いたい方は、相続税申告書を簡単に作成でき、自分で申告を行う時間や手間を削減できるソフトのご利用をおすすめします。
国税庁では相続税申告書の様式はダウンロードできるがエクセルはない
国税庁のホームページでは相続税申告書の様式をPDFでダウンロードすることができます。しかし、エクセルやワード形式での配布はありません。
エクセルで相続税申告書を作成したい場合は、民間で販売されているエクセルをダウンロードし、情報を入力する必要があります。
相続税申告書の様式を手に入れたい場合は国税庁のホームページからPDFファイルをダウンロードするか、税務署で紙の様式を手に入れるかのどちらかになります。
国税庁のホームページでは相続税申告の要否判定や相続税の計算はできる
国税庁のホームページでは「相続税の申告要否判定コーナー」があり、そこでは相続税申告の要否や相続税の計算を行うことができます。
財産の内容や金額を入力すると情報が反映され、相続税申告の要否や相続税の計算結果が出てきます。
そもそも相続税申告が必要かどうか分からない方は要否判定コーナーを使って、申告が必要かどうか、相続税がどれくらいかかるのか明確にすることをおすすめします。
相続税を自分で申告したら税務調査が入る?
相続税申告を自分で行った場合、税務調査が入る・入る可能性が高くなると言われていますが、正しい内容で相続税申告を行えば、税務調査が入る可能性は低くなります。
反対に、税理士に依頼した場合でも財産の申告漏れ等があれば、税務調査が入る可能性もあるため、税理士に依頼すれば税務調査が入られないという訳ではありません。
自分で相続税申告をする場合、相続税の対象となる財産の申告漏れや財産の評価を間違いやすいため、税務調査が入りやすいと言われていますが、申告書作成ソフト等で財産の申告漏れや評価方法の誤り等を防ぎつつ、正しく相続税申告を行うことが大切です。
相続税申告を自分で行う際の不明点は税務署へ相談
相続税申告を自分で行う場合、相続税の対象となる財産に漏れが無いか、財産の評価方法は適切か、特例や税額控除の適用要件を満たしているか等を自分で判断する必要があります。
どうしても自分で判断できない場合は、税理士や税務署へ相談を行う必要があります。相続税申告を自分で行うための相談に応じてくれる税理士はほとんどいないため、一般的には税務署へ相談することになります。
一般的な内容であれば、国税庁の電話相談センターで解決できる場合があります。個別具体的な相談をしたい場合は税務署で個別面談の予約をすると、職員の方へ相談することが可能です。
ただし、1回の面談に対して時間が限られていることが多いため、質問したいことをまとめてから相談することをおすすめします。また、判断が必要な場合には明確な回答が得られない可能性もあるため、注意が必要です。
自分で簡単に相続税申告を行うならbetter相続申告
相続税申告を自分で行う方の割合は約14%で、年間約2万件の相続が税理士に依頼せずに自分で行われています。割合だけを見ると自分で相続税申告を行うのは難しく感じますが、意外と自分でできる場合も多いです。
『better相続申告』を利用すると初めての方でも簡単に短期間で相続税申告を行うことができます。
better相続申告は自分で相続税申告を行うためのソフトで、相続税の対象となる財産の洗い出しから必要書類のリストアップ、相続税申告書の作成等の機能が搭載されています。システムが何を行えばよいのか案内してくれ、詳しい解説もあるため、初めての方でも簡単に自分で相続税申告を完了しています。
また、まずは自分でやってみて、やっぱり難しかった場合でも、途中から税理士依頼に切り替えていただくことも可能です。
無料でbetter相続申告をお試しいただけますので、お気軽にご登録いただけますと幸いです。
監修者情報
徳永 和喜(公認会計士)
高校卒業して就職後、一念発起して公認会計士試験合格。
2018年から株式会社better創業メンバー取締役としてbetter相続Webアプリケーション開発に従事。公認会計士/税理士とエンジニアを兼務しながら、相続税申告の案件にも携わる。
2022年10月、経営統合により辻・本郷ITコンサルティング株式会社の執行役員就任。better相続事業部長として、自分で相続税申告や相続登記を行う方へより良いサービスの提供を目指している。